海外安全対策情報 (平成25年10月~12月)

治安情勢

(1)カナダは,国連薬物犯罪事務所(UNODC)が発表した2011年グローバル殺人調査(2011 Global Study on Homicide)によると,人口10万人あたりの殺人事件発生率は北中米地域で最も低くなっているように,一般的に治安は良いと言われています。また,対日感情も良好と思われます。

 2013年7月25日の当地新聞報道(ラ・プレス紙)によれば,カナダの警察が公表した2012年の犯罪統計に関する報告書で,2012年の犯罪発生率は2011年に比して3%減少したとのことです。

 また,2012年における発生件数を犯罪別にみると,カナダ国内におけるテロに関連する事件の件数は,2011年から倍増し114件でした。その反面,殺人事件は前年より10%減少,貨幣やクレジットカードなど偽変造は30%減少,性的暴行も14%減少しております。

 しかし,一方で,モントリオール市の一般犯罪の発生率は日本より高くなっています。モントリオール市で,最も多く発生している犯罪は,車上狙いや車両盗難といった車両を狙った犯罪であり,モントリオール市警察によれば,同警察が把握する限りで2013年は1年間で20,851件発生しています。

 また,ハリファックス市警察の発表によれば,ハリファックスでも2013年1月1日から12月29日までの間に同犯罪が581件発生しております。

(2)2013年9月,ケベック州政府が「ケベックの価値憲章」を公表したことにより,ケベック州内で相次いで発生したデモや集会は,10月以降は大きなものは発生しておらず,落ち着いた様相を示しております。

一般犯罪及び凶悪犯罪の傾向

(1)ケベック州モントリオール市警察管轄内犯罪発生件数(モントリオール市警察発表)

 
9月29日~12月31日
2013年累計件数
暴  行
2,295件
9,542件
不法侵入
2,862件
10,917件
強  盗
645件
2,671件
車上狙い・車両盗難
4,404件
20,851件
薬物犯罪
745件
2,695件
 
11月24日~12月31日
2013年累計件数
性的暴行
61件
890件

(2)ケベック州のケベック市(ケベックシティ)警察によれば,ケベック市には特に危険であると特定できる地域はなく,カナダでも安全な都市であり,例えば,対人犯罪も10年前に比べて大幅に減少しているとのことです。

(3)ノバスコシア州ハリファックス市警察管轄内犯罪発生件数(ハリファックス市警察発表)

 
9月29日~12月29日
2013年累計件数
暴  行
592件
2,438件
性的暴行
65件
355件
不法侵入
363件
1,517件
強  盗
61件
218件
車上狙い・車両盗難
136件
581件

(4)プリンスエドワードアイランド州のシャーロットタウン市警察によれば,シャーロットタウンでは,最近20年の間に殺人事件は数件しか発生しておらず,犯罪組織の存在も認めらないとのことです。しかし,若者グループによる車上狙いが増加傾向にあるとのことです。

(5)ニューファンドランド・ラブラドール州のセント・ジョーンズ市警察によれば,セント・ジョーンズは,カナダの他の地域に比べても治安は安定しており,2003年以降,銃に関連した犯罪は発生しておらず,殺人事件及び行方不明者の発生もほとんどないとのことです。また,最近の犯罪傾向としては,暴力事件は滅多に発生しないが,車上狙いが目立つこと,麻薬やアルコール類関連の犯罪が増えている傾向があるとのことです。

(6)一般市民及び渡航者が被害に遭う事例としては,上述の車両を狙った犯罪に加え,置き引きの被害が圧倒的に多いです。パーキングメーターの設置されている駐車スペースや,日中の明るい時間帯に管理人がいる駐車場であっても発生しており,邦人も被害に遭う事件が複数件発生しています。車上狙いや車両盗難はケベック州だけではなく,他の州内でも発生しており,各地の警察が車上狙い等に対する注意喚起を呼びかけております。つきましては,自動車から離れる場合には自動車のドアを施錠して外部から車内にある貴重品が見えないようにする,外出する際は住居や宿泊先の玄関や窓を全て施錠する,置き引きやスリの被害に遭わないように手荷物をしっかり管理するなどといった防犯の意識を頭において行動してください。

テロ・爆弾事件発生状況

(1)テロ事件

 当該情報には接していません。

(2)爆弾事件

 当該情報には接していません。

誘拐・脅迫事件発生状況

 当該情報には接していません。

日本企業の安全に関する諸問題

 関連情報はありません。

 

以上