齊藤総領事挨拶(メールマガジン6月号)
皆さんこんにちは。
まずは東部5州で山火事及びスモッグなどで被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
現在もケベック州では延焼中で避難を余儀なくされている方々がいますが、当館で把握している限り今も当事者となっている在留邦人はおられず、邦人保護が最重要任務である総領事としてはある程度胸をなで下ろしています。モントリオールはこのところ不安定な天候と言わざるを得ず、ニュースのお天気キャスターも言っているとおり、延焼中の地域のように雨が待ち望まれているところには降らず、F1グランプリや野外フェスティバル等が花盛りの地域には降るという皮肉な状況になっているのはご存じのとおりです。
今週末のfete nationaleの祝日をもってケベック州では全体的にはバカンスシーズンに突入するわけですが、着任後初めての夏だった昨年はその辺のことがよくわかっていませんでした。最近はテレビ番組でも、「間もなく夏休みに入り、いつもの出演者達はこの秋戻ってきま~す」といった告知があり、バカンス天国のイメージがある(最近は変わってきているようではありますが・・・)あのフランスより一週間も早く休みが始まるすごいところなんだなぁと認識を新たにしています。もちろん夏が「短い」ことが背景にあるのでしょう、バカンス明けも一週間早いようなので帳尻は合っていますね・・・。それがよく認識できていなかった昨年は、8月末に遅い夏休みを取ったら各種行事の再開とぶつかってしまい、いくつか欠席せざるを得なくて残念な思いをしました。来る冬を前に(気が早すぎますね・・・)、とにかく今年も夏をしっかり楽しみたいと思います。
カナダの総人口が先日4000万人を超えたとの報道がありました。一昨年秋に着任する前に受けた説明では3800万とも3850万とも言われたので、その数字が少々古かったのかもしれませんが、かなりの勢いで人口が増えています。移民に負うところが大きいことは言うまでもありませんが、人口・出生率・出生数のいずれもが下り坂にあるわが日本からするとうらやましい限りです。当然のことながら住宅問題が全国的に喫緊の課題となっていて、特に自治体の長とお会いすると必ずこの話題になります。人口増のスピードに追いつかない住宅供給、家賃の高騰等が叫ばれ、世界第二位の広大な国土を誇るカナダではありますが種々の事情により人口が一定の地域に集中することもあり、地域に密着した為政者たちが様々な工夫をこらして住民の福祉向上に取り組んでおられる姿が印象的です。
別途お伝えしたところですが、6月1日からケベック州における仏語使用強化が一層進んでいます。この件については昨年州議会で州法96が可決される以前から、一貫して在留邦人の仕事及び生活面での不利益が少なくなるよう主として州政府へ働きかけを行ってきました。今般の適用範囲の拡大ともいえる動きを受けて、総領事館としては対応の間口を一層広げ、在留邦人の方々からなるべく広く実態を伺った上で必要な働きかけを継続・強化してまいる所存です。なにぶん小所帯なので一定の限界はありますが、できることに着実に取り組んでまいります。もちろん立法趣旨はよく理解できるところですし、ケベック州当局の問題意識は十分共有していますが、その上で我々在留邦人が安心して暮らしていけるケベック州にしてもらうために心を砕いてまいります。
欧米で暮らすとどうしても付き合わざるを得ないのがお店などでのチップです。最近は、以前はチップを払うことを想定すらしていなかった場面で判断を迫られたり、お勘定の際に見せられる携帯端末で表示される選択肢が以前より高い額で始まっていたり、消費者側の「勇気」が試されることが急に増えた印象です。しかも微妙にお国柄があり、どこの国でも同じスタイルという訳ではないところにさらに神経を使わされます。私はどちらかというと保守的で、常に一定の割合を支払うタイプなのですが、話を聞いているとそれぞれの考え方に基づいて様々な対応をされている方々がいて、ほぉ~と思うことも多いです。対応してくれた人への感謝の気持ち、支払いをスマートに済ませたい、財布はあまり痛めたくない等々多くの要素が絡み合い、お店を出た後もしばらくあれこれ悩んでしまうこともあったりして少々つらいところです・・・。
それでは、まずは今週末はBonne fete nationaleということで、健康に留意され楽しい夏をお過ごしください。このメルマガに夏休みはなく、来月もしっかり送信されます!
在モントリオール日本国総領事
齊藤 純
- 過去の総領事挨拶はこちら