齊藤総領事挨拶(メールマガジン4月号)
皆さまこんにちは。
ケベック州ではこのところ気候の変化が激しく、体調を崩されている方もいらっしゃるのではないでしょうか・・・。私は一瞬だけ「夏」だったモントリオールからまだほぼ冬のハリファックスに出張し、海風にさらされながら市内のアポ先を歩き回ったせいか少々風邪気味になってしまいました。とにかく休養を取ることだ!と思って帰任後は連日しっかり睡眠を取ったところほぼ回復して、また日々の仕事にいそしんでいます。
公邸周辺ではあの雨氷の日から二週間経った昨日、ようやく道端に集められていた倒木や枝の回収が行われました。公邸正面の敷地内にある木の大きめの枝が折れてぶら下がっていて、玄関から入られるお客様の身の上を案じていたのですが、そちらは比較的早く処理されました。公邸所在地では、規則により敷地内といえども一定の木の剪定等は市の業務のようで、いつ来てくれるのか・・・と心配していたので安堵しました。それもこれも、大規模な停電の被害に遭われた方々のご苦労に比べればなんでもないことで、酷寒の数日間を様々な不便を乗り越えてサバイブされた皆さまにお見舞い申し上げるとともに敬意を表します。
先月下旬に恒例の天皇誕生日祝賀レセプションを開催しました。昨年はコロナ禍が収まりつつある矢先で、我々主催者も招待客もおっかなびっくりといった感じがあったのですが(写真を見ると皆マスクをしてます!)、今年は正々堂々といった風で、多数のお客さまをお迎えして盛大なものとなりました。その分我々総領事館員や協力していただいた関係者の準備も大変だったのですが、主催者代表である私も、当日の天気は大丈夫か、返信どおりお客さまが集まってくれるだろうか、お出しする料理が足りなかったりたくさん余ったりしたらどうしよう…などと、際限のない心配に囚われて、残念ながら痩せるまでには至りませんでしたが少し睡眠不足でした。
年間を通じて最大かつ最重要な行事を滞りなく終えて、桜咲く日本に一時帰国しました。
ご案内のように今年は例年になく開花が早く、もう葉桜だったら残念だなぁと思いながらのフライトでしたが、さすがは桜の本家本元、ソメイヨシノは盛りを過ぎていましたが枝垂桜や八重桜が華やかに迎えてくれました。それにしても連日桜の話題で持ちきりで、外から戻ってみると日本は桜の国なんだなぁと改めて感じました。訪日観光客の戻り具合も目を見張るばかりで、京都の駅前やカナダに戻る際の成田空港など、一体ここはどこの国だ・・・と思わせる状況でした。
ハリファックスと姉妹都市の函館(昨年40周年を迎えました)、日本の先住民たるアイヌの研究機関がある札幌、「命のビザ」などを手にしたユダヤ人を温かく迎えた歴史を持つ敦賀などを訪れ、今後に向けて種をまいたりお世話になった方々と再会を果たすなどして、仕事と休暇を兼ねた充実した滞在になりました。
その後のモントリオールでは、すっかり春めいていた日本をはるかに上回る気温の日が数日続き、すわ衣替えか!と浮足立って、少しウキウキしながらはやばやとコートの入れ替えなどをしてみたのですが、結局厚手のものをまた引っ張り出しています・・・。昨年は日本のGWの頃に雪が少し積もったのを思い出し、落ち着け落ち着けと言い聞かせています。
以前ニューヨークに駐在していた時にCome From Awayというミュージカルを観ました。2001年の同時多発テロの際、多くの旅客機と乗客を受け入れたNL州Ganderを舞台にした秀逸な作品なのですが、最近モントリオールに巡回してきていました。意味は取れるものの不思議なタイトルだなぁとずっと思っていたのですが、大西洋州では外国人のことをCFAと呼んできた歴史があると最近知り、得心しました(諸説あるようですが、そういう説明もあるということです)。言葉は文化や生活をしっかり反映していますね。
在留邦人の方々から、このつたない文章を「楽しく読んでいます」との温かい言葉をいただくことがあり励みになります。日本語が読めるケベコワの読者もいて、前号の挨拶に関して新たな四字熟語を学んだと感謝の意が表されました。とりとめもない話の羅列ですが、引き続き総領事の仕事や生活の様子、考えていることなどをご紹介していきたいと考えています。
在モントリオール日本国総領事
齊藤 純
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