齊藤総領事挨拶(メールマガジン1月号)
皆さまこんにちは、
一月も後半に入っているので新年の挨拶は控えますが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年は生物多様性条約COP15の狂騒(というほどでもないですが・・・)のうちに幕を閉じましたが、私としては比較的穏やかな新年を迎えております。
自分にとってはまだ二回目の冬なのでなんとも言えないのですが、暖冬であると言われてきたものが、ここにきて平年並みに戻ってきたのかなと感じております。
雪や寒さの本格的到来を受けて、この冬はどうやって楽しもうかと思案中です。一昨年秋に着任した際に、領事団やケベコワたちから「モントリオールの冬は楽しんでなんぼ」と言われて自分なりに楽しんだので、このところ新着任者たちには「暖かい家に引きこもらずに楽しむべきだ!」と先輩風を吹かせております。
先日ケベックシティに出張して参りました。州都への出張も、最初のうちは高速道路の車窓の風景などにワクワクしていた片道3時間の道のりですが、さすがに飽きてきたこともあり今回初めてVIA Railを使ってみました。定刻に発車して定刻に到着したのですが、ケベックシティに着いてみると何人かの方々から「遅れませんでしたか?」と聞かれ、ラッキーだったのかな・・・とも思いました。帰りも始発ということもあり当然定刻に発車しました。ヨーロッパ同様発車ベルもアナウンスもなくいつの間にか動きだし、車内放送のジングルもフランスの列車内で聞いていたのと同じものが流れて一瞬どこにいるのかわからなくなりましたが、アナウンスがケベックなまりのフランス語ですぐ我に返りました。今後もたまに列車旅を楽しもうと思っています。
列車といえばREM(モントリオールの郊外電車とでも言えばいいのでしょうか・・・)が試運転をしているのを初めて見かけました。シャンプラン橋や高速道路の脇に線路が着々と整備されている(おかげで車線規制で結構渋滞・・・)のは見てきましたが、実際に電車が走っているのを見るとちょっとした感慨を覚えました。というのも開業予定が何度も延び延びになり、延伸路線についてもいろいろ議論があるからです。着任して間もない頃に総領事館そばの工事現場を通りかかった際、運転手から「ここはずっと工事をしている、このまま齊藤総領事の任期中も続くのではないか」と冗談半分に言われましたが、それがリアルにならないことを祈ります。
今年は日本がG7の議長国です。岸田総理は先日その一環としてカナダも訪問され、自由で開かれたインド太平洋をはじめ様々な分野での日加間の協力を一層深化させるためトルドー連邦首相と議論されました。トルドー首相主催の経済関係者を招いた昼食会にはケベック州をはじめ当館管轄州の方々も招かれたようで、今後フォローアップしていきたいと考えています。
G7サミットは岸田総理の地元でもある広島で開催されますが、広島市はモントリオール市と姉妹都市関係にあります。以前も書きましたが市内の植物園に日本庭園があり、そこには広島市から寄贈された平和の鐘があります。植物園は広大な敷地の中に中国庭園や先住民の庭園、昆虫館などもあって充実しており、皆さまぜひ訪問されることをお勧めします。積雪期は確か歩くスキーもできるはずです。
年の初めということで2023年に触れると、今年は日カナダ修好95周年です。少々中途半端なこともあり大規模な行事は予定されていないようですが、100周年に向けて考えを巡らし始めてもいいかなと考えています。また、ケベック州政府が東京に事務所を開設してちょうど50年を迎えます。日本がモントリオールに総領事館を開設したのは1960年なのでわれわれが「先輩」ではありますが、50周年を温かくお祝いします。先日お会いしたBiron州対外関係・仏語圏大臣は、この機会に訪日したいとの希望を述べておられました。訪問が実現し、日ケベック関係が一層充実したものとなるよう尽力して参る所存です。大西洋州からも閣僚の訪日が予定されており、ポストコロナ期における日本と当館管轄5州との関係再活性化・強化の息吹を感じています。
年末にかけてケベック州を席巻していた各種疾病も小康状態のようですが、皆さま引き続き体調管理にご留意ください。
在モントリオール日本国総領事
齊藤 純
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