齊藤総領事挨拶(メールマガジン5月号)
皆さまこんにちは。
一気に季節が進みましたね。
モントリオールには春がほとんどなくて、冬からすぐ夏になると聞いていましたが、まさにそんな感じです。公邸の庭に、モントリオール植物園から寄贈された桜の木があるのですが、あっという間に咲いてあっという間に葉桜になりました。ま、桜とはそういうものですが・・・。
着任して半年余り経ちましたが、ようやく自分のフランス語が戻ってきた手応えを感じています。
先日トロントへ行ってきました。表示はともかく会話は全てが英語で、まるで外国に来た感じがしたのですが、当地に戻ってすぐにフランス語が口を突いて出てきたのでホッとしています。当地で初対面の方に会うと、フランス語がお上手ですね、どこで習得されたのですか?と聞かれるのですが(半分以上お世辞ですが敢えて真に受けるようにしています・・・)、自慢ではなく、「フランス語を操る比較的珍しい東洋人」から一歩進んで、フランス語で話していて特に違和感を覚えさせない存在、即ちわざわざフランス語を誉めてもらわなくて済む存在に再びならないといけないなぁ・・・と感じ、外務省入省直後の研修時代に役に立ったフランス語のハンドブックを東京の家人に探してもらって届けてもらいました。実は大学でフランス語を専攻した娘に譲ったのですが、使った様子はなかったです・・・。ところどころ蛍光マーカーでハイライトしてあったり、鉛筆で書き込みがしてあったりして懐かしく感じました。
引き続き当地の各方面の方々のお話を伺って、今後の仕事の方向性を定める一助としているのですが、名刺交換に関して気づいたことがあります。
一般に欧米では日本のように会った途端に名刺交換することはあまりないのですが、それについては当地も同じだと感じています。むしろ帰り際に交換することが多いのですが、その際の先方の名刺の渡し方が押しなべて日本流に両手を添えて出してくるのです。これには少々驚きました。これまでお会いした方々は、前任者も会ったことがあるなど、日本と何らかの関係をお持ちの方々なので、さもありなんと言えなくもないのですが、恐らく日本人とビジネスをするときは最初が肝心!と誰かに教え込まれているのではないかとすら感じてしまいます。却って私の方が片手で渡したりして、これじゃイカンと思ってしまいます。さすがに名刺入れを座布団にしているケベコワにはまだ会ったことがありませんが・・・。
公邸は閑静な住宅街にあるのですが、雪解けとともにあちこちの道路や住宅で一斉に工事が始まり、いろいろ賑やかです。それらが始まる前の早朝のひと時は小鳥たちの歌声がかわいく、時に美しく響くのですが、中でもCardinalは鳴き声といい姿といいとても印象的です。MLBにSt. Louis Cardinalsというチームがありますが、長らくcardinalって一体どういう鳥なんだろうなぁ…と思っていたのが(もちろんロゴでイメージは掴めますが)、ここで頻繁に見かけることができて感激しています。冬の公園で見かけるような小鳥の餌やり箱?を庭に設置したい気もするのですが、おそらく掃除等が大変になりそうなので我慢しています。
また長くなりました。公邸の国旗掲揚塔に鯉のぼりを上げたら雪が降って・・・という話も書きたかったのですが、今回はこの辺で。
今月から来月にかけてようやくケベック州以外の管轄州への公式訪問に出かけてきます。ケベックとはまた違ったカナダについて見聞を広め、仕事の材料を見つけるのが楽しみです。
季節の変わり目、皆さまご自愛下さい。
在モントリオール日本国総領事
齊藤 純
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