齊藤総領事挨拶(メールマガジン4月号)

令和4年5月16日

皆さまこんにちは。

常道に従って、モントリオールにもようやく春が来ましたね、と時候の挨拶から始めようと思っていましたが、イースターの降雪にやられました。

雪がすっかり溶けてTシャツ姿で外を歩く人も見かけるようになった今月上旬、総領事館のカナダ人職員に、これで春だねと話しかけたら、いやいやまだまだ油断なりませんよ、と言われ、そんなものなのか・・・と思っていましたが案の定です。考えてみれば私の出身地の東京でも、以前は春分の日前後に湿った雪が降り交通が麻痺することが多かったので、当地の緯度や気候を考えるとこの時期の雪も十分あり得る事象だな、と納得しています。当の職員にやっぱり降ったねと話したら、稀に5月に降ることもある、とさらに畳みかけられました(笑)。

ケベック州政府や連邦政府は正式に第六波の到来を宣言しましたが、対面での行事はどんどん増えています。講演会で隣席になったケベコワに、道路が穴ぼこ(nid de poule, pothole)だらけでどうにも困ったものだ・・・と話したら、potholeの愚痴を言うなんてあなたも立派なmontrealerね!と言われ、妙にうれしかった私です・・・。

そして行事と言えば、日本政府を代表する総領事館として年間を通じて最も重要な行事である天皇誕生日レセプションを先月下旬に開催しました。二年ぶりの開催、かつ立食での相応の規模の行事としては領事団の先陣を切る形となり、種々心配の種もありましたが、結果的にケベック州及びモントリオール市要人をはじめ多くのお客さまにお集まりいただき、盛況のうちに終えることができました。日系企業及び日本文化の紹介にも一定の役割を果たすことができ、手応えを感じました。これから夏に向けて日本に関連する大型行事も次々と復活を遂げていくようです。お声がけいただく行事については積極的に出向いて、微力ながら花?を添えたいと考えています。

一か月も前の話になりますが、市内でこちらは実に3年ぶりとなるSt. Patrick's Dayのパレードがありました。前任地のニューヨーク市ではもちろんですが、しばらく前から東京でもSt. Patrick's Dayが祝われるようになってきて、それなりに親しみを持っていたので出かけてみました。コロナ規制は徐々に緩和されつつある時期でしたが、準備の関係もあり例年よりかなり縮小した規模で行われたようです。開始時刻は調べてあったのですが、朝ということもあり時間どおりには始まるまいと思って少し遅れ気味に沿道に着いたら、終わりの方の集団がちょうど通り過ぎるところでした。参加団体がかなり絞り込まれて短い行列だったようですが、逆算するとどうやら時間どおりにスタート地点を出発したようで、またしてもカナダ人を少し見くびっていた自分を反省することになりました。来年完全復活するなら早めに出かけて、いい場所を確保しようと今から気合を入れています。余談ですが市長が緑色の服でパレードに参加しているのを見かけました。もうすぐお会いできるようなので、アイリッシュ系なのか聞いてみようかと思っています。

日本の水際措置の緩和を受けて、ビジネス関係者の往来も増えつつあり、まことに喜ばしいことです。久しぶりの訪日で戸惑うこともあるようで、当館としても情報提供や関係方面への働きかけなど丁寧な対応を心がけています。留学生にも扉が開かれ、待ちわびていた学生たちがビザの申請に総領事館を訪れています。当地の有力大学の学長とお会いした際、日本はコロナ禍においても引き続き学生達の関心の的であったと聞き、胸をなで下ろすとともに、日本人留学生に仏語圏たるケベックまで来てもらうことにもケベック側と協力していきたいと考えています。エアカナダのモントリオール直航便が6月には再開される予定と聞いており、カナダからの観光客が入国できる日が早く来ることを望んでいます。

なくなってみると積雪も懐かしいですが、久しぶりに雪のない街並みに接すると何か新鮮な感じがします。私は昨年秋に着任したので、どんな発見があるのか、これからの季節も大いに楽しみです。引き続き感染対策に十分に意を用いながら、総領事としての職務に取り組んで参ります。

在モントリオール日本国総領事
齊藤 純