齊藤総領事挨拶(メールマガジン12月号)

令和4年1月17日

皆さまこんにちは、総領事の齊藤です。

今月初めに、管轄5州で初となるケベック州の公式訪問に臨みました。当日は予報どおり、ケベックシティは一面の銀世界でした。 ドワイヨン副総督、ルゴー州首相、パラディ州議会議長とそれぞれお会いしました。副総督府、首相府、州議会議事堂、みな立派な建物で、内部は天井も高く、クリスマスの飾りがそこかしこにあり、暖かな雰囲気でした。

オタワから来られた川村駐カナダ大使とご一緒したのですが、ケベックのダイナミズムに強い印象を受けておられたようです。私は年明けから引き続き大西洋4州の公式訪問に臨んでいきたいと思っています。

要人と会うだけでは州都ケベックシティを知ったとはとても言えないので、公式訪問の前の週末にプライベートで泊りがけの小旅行もしてきました。お決まりのシャトーフロントナック、ケベック料理などもこなしましたが、高速道路を運転しながら気がついたことがありました。出口(インター)の標識を見ていると、圧倒的にSt.やSte.と聖人の名前がつく町が多いのです。

ケベックはフランスによる植民当時からカトリックとのつながりが強いと本で読みましたが、まさにここにそれが表れていて大変興味深かったです。以前勤務したフランスでは、autorouteを飛ばしていてもこれほどの量で聖人の名を冠した町の標識が迫ってくることはなかったです。聖人でなければ先住民がつけた地名がそのまま町の名前になっていることも多く、高速道路を走るだけでいろいろ学びがありました。今後大西洋州を訪問したら今度はどんな気づきがあるのか、楽しみになりました。

ケベックシティでは街中でもすべてフランス語と思っていたのですが、こちらがアジア人かつ、いかにも観光客風だからというだけではないのだと思いますが、かなり上手な英語を操る人たちが多く、意外な感じがしました。その人たちは必ずしも生粋のケベコワではないのかもしれませんが…。それから、前号の続きで若干しつこいですが、朝食に入ったカフェでun pain au chocolat svpと言ったら怪訝な顔をされ、une chocolatine svpと言い直したらサッと提供されました。一体なんで~と思わず笑ってしまいました。フランスでも長年にわたる呼び方論争はあるようですが、ケベックはフランス人観光客も多いだろうから何を指しているかくらいわかりそうなものかと…。

今月は岡山県美作市の姉妹都市である近郊のSt. Valentinにも行ってまいりました。市長さんや市議会議員さんがつきっきりで案内してくれて、大変楽しい訪問となりました。日本でもそうですが、やはり地方には都会にはない人々の温かさがあってホッとさせられます。その名にちなんで例年2月にfestivalを開催しているそうですが、来年の開催については検討中とのことでした。2月11日をjour du Japonと定めてくれているので、festivalが開催されるならぜひ再訪します。

夏にはイチゴ狩りやブルーベリー摘みもできる、Les Fraises Louis Hebertというとてもかわいらしいお店に案内してもらいました。冬の今は週末限定営業(土曜日だけ?)のようですが、元気な女主人が自家製のイチゴワインやブルーベリーのお酒、ベリー類のジャムについていろいろ教えてくれました。立派なアンティーク店(ここも週末のみのようです)もある村(市というよりは村という感じでした)なので、モントリオールにお住まいの方は、週末ちょっとどこかへ行きたいな…という時に訪れてはいかがでしょうか。役場の入口には「ようこそ」「愛の都(capitale de l’amour)」と彫りぬかれた立派なパネルもあります。

話はガラッと変わりますが、この原稿を書いている時点でオミクロン株の広がりには予断を許さないものがあります。

せっかくのホリデーシーズンですが、総領事館としてもケベック州政府のガイドラインに従って、引き続き気を引き締めて各種対応に当たってまいります。皆さまもくれぐれもお気を付けください。日本の水際措置等については、総領事館ホームページ、日本外務省ホームページ等をこまめにご確認ください。

Bonne fete!

それでは、よい年をお迎えください。

在モントリオール日本国総領事
齊藤 純