伊澤総領事挨拶 (メールマガジン12月号)
寒い日が続きますが,皆様お元気にご活躍のことと存じます。
本年も残すところ2週間となりました。この1年,邦人の方々におかれましては大きな事件も起こらず,皆様と無事に年を越せることを大変欣快に思います。
様々なことがありましたが,就中,日本では令和の時代を迎えましたことは,新しい時代,新しい日本の始まりとして歴史に残る1年となりました。
着任以来,先ずは当地における邦人の方々の便宜,安寧を最優先に考え,領事サービスの適切な運用に加え,教育や医療等の生活環境の改善に資する取り組みに努めてきました。特に,教育分野では,補習校のお手伝い加えて,各地の日本語センターの活動の支援に取り組みました。先日行われた各地の日本語センターの代表者の方々とのTV会議は大変参考になりました。本年日本政府は,海外における日本語教育の充実をも念頭において,日本語教育の振興に関する法律を制定しました。海外で生活される日本人の子女にとって,日本語は日本人としての意識の中核になります。こうした日本政府の動きを参考にしつつ,引き続き日本語教育の支援に努めて参ります。
医療につきましては,現地の制度が日本の制度と大きく異なり,複雑なため,特に新たに赴任されてきた邦人の方々にとって戸惑うところが多々あると思います。当地での生活での不安を少しでも少なくするために,引き続き様々な機会に医療について情報を提供していきたいと考えています。
この1年,日本とケベック,モントリオールとの関係では新たな動きが見られました。経済分野では航空産業,資源産業,AIやソフト分野でいくつの大きな案件が動いています。人の交流の分野でも,昨年の成田直行便の就航以来,相互に訪問客数が大きく増加しました(因みに,来年,訪日人数で,カナダは欧米諸国の中で米国,豪州についで第3位になる見通しです)。訪日経験者の増大に伴い,日本に対する理解や関心が更に高まっていると感じます。また,和食や日本文化に対する関心も着実に広まっていると感じます。更に,クリー族に代表される当地の先住民との交流も始まりました。こうした中,先日行われたフィッツギボン・ケベック州経済・イノベーション大臣の訪日は大成功だったとの連絡をケベック州政府側から頂きました。ケベックとのあらゆる分野での関係強化に向けて,来年も引き続き,ハイレベルの交流を追求していきたいと考えています。
最後に,皆様におかれましては,良き新年をお迎えください。
在モントリオール日本国総領事
伊澤 修
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