伊澤総領事挨拶 (メールマガジン6月号)
6月に入り,モントリオール国際音楽コンクールやF1グランプリ等,国際的イベントが一斉に始まった感じがします。モントリオールの夏が近づいてきましたが,皆様如何お過ごしでしょうか。
先日,日本語補習校の主催した「わくわくサマーキャンプ」に参加しました。初日の土曜日の夕方はすごい土砂降りで,キャンプができるかと心配しましたが,豪雨の中,皆で協力してテントを立ち上げることができました。そして生徒達の思いが通じたのでしょう,その後天候も見事に回復して,日曜日は生徒達もキャンプをエンジョイすることができました。大島校長や大石先生をはじめとして先生方,保護者の皆様方,本当にご苦労様でした。
さて,少し前になりますが,6月7日に新天皇の即位祝賀のレセプションを催しました。初めての試みとして,日本人コミュニティーの各界の方々を中心に100名程を公邸にお招きしての大規模レセプションになりましたが,皆様のご協力で恙無く執り行うことができました。ありがとうございました。その際に,小官が行った挨拶の中で,今後のケベック,モントリオールにおける日本人コミュニティーの活躍に対する期待を表明させて頂きましたので,その抜粋を紹介させて頂きます。
『本日お集まり頂いた皆様のカナダ,ケベックとの関わりは千差万別です。一世,二世,三世の方々,国際結婚の方々,ビジネス,研究者,留学生,皆様本当に様々なバックグランドをお持ちで,それぞれ独自にケベックとの関係を築かれてきました。このような多様な日系コミュニティーの存在はカナダにおいて日本を位置づける大きな柱でありました。
そして今日,この日系コミュニティーに新しい動きも出てきています。例えば,国際結婚の増加に伴い日本語センターの生徒達は毎年増えています。ケベックシティーにおける「桜を見る会」等,新しい文化イベントも立ち上がっています。ビジネスでは例えばAI分野での協力が始まりました。JET等で多くのカナダ人が日本を経験しています。和食や日本語や日本文化への関心の高まりもあります。
今後,日系コミュニティーはどのようになっていくのでしょうか。まず重要なのは,これまで築き上げてきたこのコミュニティーの基盤を引き継いでいくことです。日本人としてのルーツや意識は大切なものですし,守っていくべきものです。そして更に重要なのは,この築かれた基盤を礎に,今後,日系コミュニティーに大きな動き,流れを作り出していくことだと思います。これからお言葉を頂く柴田さんを始め,本日ここにお集まり頂いた皆様は,この地において豊かな経験と知見,人脈があります。例えば,今後,日本から新しく来られる方々や新しいイニシアチヴを試みようとする方々にとって,皆様の存在,経験,そして皆様が築いてきたこのネットワークこそがコミュニティーの貴重な財産であり,ケベックとの関係を更に大きく発展させる基盤です。「令和」は,日本においては,人々の和をもって文化・繁栄を実現していく時代になります。この地でも,この「令和」の精神に基づき,本日お集まり頂いた皆様方との「和」もって,日系コミュニティーの更なる発展を目指していきたいと思います。』
在モントリオール日本国総領事
伊澤 修
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